人生の最後を自分らしく迎えるために“終活”をする人が増えています。人生を共に過ごした“家の終活”で家とのお別れについて一緒に考えてみまえんか?もしものときに慌てないため、大切な人に迷惑をかけないためにできること。
●不動産の困りごとが増えています
・持っている不動産の情報を家族間で共有できていない。
・遺産相続にともなう準備ができていない。
・家財や持ち物が多い。
・整理できない荷物がある。
・今後、空き家や空き地になってしまうかもしれない不動産がある。
【家の終活4つのキーワード】
■不動産情報の整理
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▼土地と建物の目録(リスト)を作ってみましょう
「固定資産税納税通知書」、土地と建物の「登記事項証明書」、購入したときの「契約関係書類」を参考に目録(リスト)を作りましょう。
▼契約関係書類はありますか?
押入れの奥に眠っていませんか?見つからない場合は、契約を仲介した不動産業者などに聞いてみましょう。売買時の資料にもなり、当該不動産の詳細が分かります。
▼登記の確認
毎年5月頃に届く「固定資産税納税通知書」に記載の不動産について、法務局で「登記事項証明書」を取得しましょう。
▼相続登記は済んでいますか?
親や配偶者から不動産を相続しても、登記上の所有者を変更していない場合には、相続登記をしましょう。相続登記をしていないと、不動産が売却できないなど、デメリットが生じます。自分の代で登記を最新の状態にしましょう。
相続登記:不動産の所有者が亡くなった際に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義変更を行うことです。
▼権利関係の整理
土地や建物には、様々な権利がついていることがあります。関係者と調整するなど、事前に整理しておきましょう。
抵当権:残債を確認しましょう。完済していれば、債権者に連絡して抵当権を抹消してもらいましょう。
借地権:貸している場合、また借りている場合には、亡くなった後、建物や借地権をどうするかなどそれぞれの所有者と話し合いましょう。
隣地との境界:隣地住民にも確認し、境界を確定させましょう。
■家の撮影
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外観や部屋の中、柱の思い出のキズ、何でも写真に撮りましょう!家を離れたとき、家がなくなったとき、その写真を見れば家族の思い出などの記憶もよみがえることでしょう。
■家財の整理
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遺族にとって故人の物を処分することは、非常に大変です。遺された家族のために、元気なうちに自分の家財を整理しましょう。
■遺言書の作成
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遺された家族のために、家をどうしたいのか、誰に引き継がせたいのか、「遺言書」を作成することはとても大切です。文字だけでは気持ちが伝わらず、相続のときの揉め事の原因になります。元気なうちに家族とよく話し合い、遺言書を作成しておきましょう。
▼遺言書の作成は専門家に相談しましょう。
せっかくの遺言書も法的に有効なものでなければ意味がありません。司法書士等の専門家に相談し、作成しましょう。令和2年7月より「自筆証書遺言補完制度」が開始。法務局で遺言書を預かってもらえる制度です。詳しくはお近くの法務局へお問い合わせください。