お部屋を借りるときに必要となる敷金ですが、金額は0円の物件もあれば家賃の3ヶ月分の物件もあります。当然0円の物件が魅力的に感じますが必ずしもメリットだけというわけではありません。ここでは敷金とは何か概要から詳細までわかりやすく解説していきます。
■敷金とは
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▼敷金の意味
敷金とは簡単にまとめると、物件を借りる際に、借主が契約期間中に発生した家賃滞納や物件の損傷などの損害に備えて、物件を管理や所有者する管理会社や大家さんに預けるお金のことです。 借主と所有者間の信頼関係を構築するための大切な制度であり、トラブルの回避につながります。
▼敷金はどのようなときに使われるのか
先程、「借主が契約期間中に発生した家賃滞納や物件の損傷」とお伝えしましたが、物件の損傷にも程度があります。 引越し中につけてしまった床や壁の傷跡や禁煙物件でのタバコを吸ったことによる壁の黄ばみはその対象となりますが、日常的に使っていると起こりうるフローリングの日焼けなどの損耗は対象になりません。 また、国土交通省からガイドラインも出ていますので、ご参考ください。
▼敷金の目安はいくら?
敷金の目安は家賃の1ヶ月となります。ファミリー向けや高価格帯の物件となると家賃2ヶ月〜3ヶ月などに設定されている物件が目立ってきます。 ただ、最近の傾向として敷金は低く設定されることが多く敷金が0円の物件はもちろんのこと、敷金礼金ともに0円の物件もあります。
▼敷金は返ってくるのか
敷金は、契約期間が終了した際に、物件の状態に問題がなければ、全額返金されます。
しかし、家賃滞納や物件の破損が発生した場合には、損害額に応じて敷金から差し引かれ、差分が返金されます。
■敷金と礼金などの違い
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▼敷金と敷引の違い
敷引(しきびき)とは預かった敷金から退去時に差し引かれるお金のことです。 原状回復費用や家賃滞納時に使われる点までは敷金とは同じですが、原状回復する必要がなく家賃滞納していなくても返金されない点が大きな違いです。 主に関西圏に多い制度です。
▼敷金と保証金と礼金の違い
礼金はお部屋を貸してもらうお礼として大家さんに支払うお礼のことです。そのため、敷金と違い返金はありません。 保証金は敷金同様に一時的に大家さんに預けるお金で用途も同じです。違いとしては保証金は相場が高く、法人が店舗が事務所を借りるときは敷金ではなく保証金とするケースが多いです。
■敷金ゼロの物件について
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▼敷金ゼロの仕組み
●大家さんが早く借主を見つけたい
大家さんも借主が見つからないと家賃収入が得られないため、空室が複数重なった場合などにキャンペーンとして敷金を0円にすることがあります。
●代わりに家賃が高くなっている
物件よっては敷金礼金を0円にする代わりに家賃が+数千円/月になるなど選べるプランがあります。トータルでは少し割高になることもありますが、初期費用を抑えることができるいう面ではメリットもあります。
●退去時に別途クリーニング費用として支払う
敷金はもともと、原状回復をするための費用です。よって敷金が0円のその代わりに退去時にクリーニング費用として支払う契約になっていることもあります。こちらも初期費用を抑えたい場合はメリットになります。 契約書で退去時にどのような費用を払うことになっているのか確認しておきましょう。
▼敷金ゼロの注意点
メリットもある敷金ゼロの物件ですが注意点もあります。それは不人気物件の場合が考えられることです。お部屋の条件が悪い場合は敷金0円でお客様を集めていざ住んでみたら騒音がする、設備がかなり古かったというケースがあります。かつ、途中解約をすると違約金が発生する物件もあります。 内見はしっかり行うことと、周辺の相場を見てあまりにも費用面の条件が良い場合はその理由を不動産屋さんに確認してみましょう。
■よくある質問
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▼敷金に利息はつく?
敷金には原則、利息をつきません。ほとんどの場合、賃貸借契約書の規定に敷金に利息はつかない旨の記載があります。 また、記載がなかったとしても貸付金には法律上利息をつける定めはありません。 銀行や証券のように預かったお金を運用してお金を稼ぐ業界もありますが敷金は無利息と捉えてよいでしょう。
▼駐車場にも敷金は必要?
貸主にもよりますが、マンションやアパートなど賃貸物件に併設された駐車場にも敷金が必要なことは多々あります。 お部屋と同様に、意図的な設備の損傷などをしない限りは退去時にお金は戻ってくるので心配はありません。