■賃貸を探す・契約するタイミングや時期は?
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▼賃貸物件探しのハイシーズンは1〜3月、オフシーズンは4〜12月
賃貸物件探しのオススメタイミング・時期には賃貸不動産の「ハイシーズン」と「オフシーズン」が大きく影響しています。ハイシーズンというのは、多くの人が引越しするタイミングで、不動産屋さんも忙しくなる時期です。つまり賃貸不動産屋さんの繁忙期です。一方でオフシーズンは引越しする人が少なく、比較的ゆっくり、じっくりお部屋探しができる時期を意味します。
・ハイシーズン:4月の新生活に向けて1月中旬以降から3月までは忙しい
・オフシーズン:4~12月が一般的なオフシーズン
傾向としては、ハイシーズンは家賃交渉も難しく物件の選択肢も限られてしまうことが多い。オフシーズンはゆっくりと物件を探せて家賃交渉ができる場合もある、といった具合です。ただし、秋には多少盛り上がることもあり、オフシーズンには波が多いのも事実です。
▼優良物件を狙うなら選択肢が豊富なハイシーズンの早め1月
優良物件を狙うなら、選択肢が豊富な1月の早めから探し始めましょう。多くの人が引越しする3月には、物件の需要も供給も必然的に多くなります。新生活を機に物件から退去する人もいれば、新生活のために賃貸物件を探す人もいるからです。優良物件こそなかなか空きが出ませんが、この時期なら空きが出る可能性があるのです。しかし、需要も供給も多い時期ですから、例えるなら「早いもの勝ちのいす取り合戦」みたいなもの。気になる物件を見つけても、明日には募集の掲載が終わっているなんてこともあります。そのため、1月のうちでも早め早めに物件探しを始めましょう。
▼初期費用・お引っ越し費用を抑えたいなら6月から8月までのオフシーズン
賃貸契約をするなら初期費用として家賃の4~5ヶ月分ほどの初期費用がかかるのが一般的です。さらに、当然引越し費用もかかることでしょう。これらの費用を負担に感じている人も少なくないはずです。そんな人にオススメなのが、6月から8月のオフシーズンです。1~3月のハイシーズン(繁忙期)には引越し需要も高いので不動産屋さんもなかなか家賃交渉には応じない傾向にあります。これは賃貸物件にかかわらず人気商品でも同じです。わざわざ賃料を下げなくても、欲しい人がたくさんいれば別の人が買ってくれるからです。
オフシーズンのなかでも特に6~8月は「梅雨時期」「暑い時期」となり、引越しになかなか前向きな気持ちになれない人も多いのです。その結果、6~8月は引越し費用も安くなり、比較的家賃交渉もしやすい状況だと言えるでしょう。ただし、すべての物件で家賃交渉ができるわけではないことは頭に入れておくべきです。
■なかには根拠のない賃貸物件探しの定説も
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▼カップルやファミリー向けの物件が多く出回るのは5月や6月というのは信ぴょう性がない
カップルやファミリー向けの物件が多く出回ってくるのがピークを過ぎた5月や6月頃と言われていますが、これは繁忙期を過ぎた不動産屋さんの「ジューンブライド」に乗じたセールストークから発生したものと考えられます。実際にそういった接客を受けた人がブログなどのメディアで記事を書いたりし、あたかも業界のトレンドのように語られているのでしょう。ただし、この時期に家探しをするのは好ましくないかと言われると、そうではありません。就職・進学などの新生活で引越し需要の大きい1~3月のハイシーズンを過ぎれば、ライバルを気にせず比較的ゆっくりと物件探しが可能だからです。4月末から5月初旬にはゴールデンウィークで大型連休もあるため、この時期にじっくりと物件を探すのもオススメです。
▼新築物件が多く出回るのは9月や10月というのも信ぴょう性がない
新築物件が多く出回るのは、9月や10月頃だと様々なメディアで言われていますが、数値的な根拠と併せて説明をしているものはありません。実際に、e-Stat(政府統計情報の総合窓口)で公開されている貸家着工の件数の推移を2年分さかのぼって見てみると、月ごとでそれほど差がありません。竣工戸数のデータがなかったので着工数で見ましたが、月別の着工数に差がなければ月別の竣工数に差が出ないことが類推できます。
>>e-Stat
考えられる理由はさまざまですが、その1つに会社の「人事異動」があります。人事異動の時期は会社それぞれで設定されますが、基本的には9月中に言い渡され、10月から異動という形になるケースが多いようです。これは、9月決算の会社で決算期に合わせるためだと言われています。少し話は逸れましたが、このような理由から9月や10月には新築物件が多く出回る時期というイメージが付いたのかもしれません。
■賃貸で優良物件を契約するために
大切なタイムスケジュールとは?
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賃貸物件を探すタイミングや時期について、ある程度の目処付けはできたでしょうか?ここまで紹介してきたのは「探し始め」ですが、以降では「探してから賃貸契約し、入居するまでの流れ」を紹介していきます。概要を下表にまとめましたので参考にしてください。
優良物件を探して契約するために最も大切なのは、引越しの1.5~2ヶ月前に部屋探しを始めることです。賃貸物件を探してから入居まで、最短で1~2週間ほどで可能な場合もありますが、1つのステップに余裕がないためオススメできません。それでは以降で詳しく解説していきます。
▼引越しの1.5~2ヶ月前:条件を決めて賃貸物件を探し始める
先ほどの表に賃貸契約の流れを示しましたが、引越しはすぐにできるものではありません。例えば、3月末に引越したいのであれば1月の末くらいがベスト。遅くても2月初旬には探し始めましょう。また、新しい住まいを探すときは、次のような条件で絞っていくのが一般的かと思います。
・間取り
・立地(駅やコンビニ、スーパーからの距離など)
・家賃
・築年数
・設備やサービス(オートロックやインターネット無料など)
・その他
引越し希望日までに余裕がなければどうしても希望条件を妥協しないといけないことも出てきます。それだけでなく、希望条件も変わることも少なくありません。このような理由から、引越しの1.5~2ヶ月前には条件を決めて探し始めることがオススメです。
▼引越しの1~1.5ヶ月前:不動産屋さんに行って賃貸物件の詳細確認と内見
2週間から6週間程度が、賃貸物件探しのリードタイムです。引越しの1~1.5ヶ月前(6週間前)くらいには、実際に不動産屋さんに相談して賃貸物件の詳細を確認しましょう。希望条件を伝えれば、自分が気になっていた物件ではなくても他の条件に会う物件を紹介してもらえることもあります。この時点で、「住んでみたい」と思える物件があったら積極的に内見を申し込みましょう。
▼引越しの0.5ヶ月前:入居申込と入居審査、賃貸物件の契約
気になった物件を内見するリードタイムは、およそ2週間。内見で「住みたい」という意思が固まったら、その賃貸物件の入居を申し込みましょう。しかし、なかには「いつまでも迷ってしまう」という状況になる人も少なくないと考えられます。しかし、入居を申し込む前から「仮に物件を押さえておく(仮押さえ)」は原則としてできません。原則として、入居の申込書を提出して審査を受けなければならないのです。また、入居を申し込むときに「申込金」「預り金」を払う場合もあります。不動産屋さんによって対応は異なりますが、不安であれば不動産屋さんに確認しておきましょう。内見が終わってから賃貸借契約を締結するまでの流れは次のとおりです。
1、入居申し込み
2、入居審査
3、重要事項説明
4、賃貸借契約
多くの人が気になっている「賃貸契約でお金を払うタイミング(入金タイミング)」ですが、「4、賃貸借契約」が終わってから後日、指定口座に初期費用などを振り込むのが一般的です。ただし、こちらも契約時に現金持参するなど不動産屋さんによって対応が異なるため注意しておきましょう。ここで忘れてはいけないのが、今住んでいる住居が賃貸物件だった場合の退去連絡です。退去の何日前までに連絡を入れないといけないかは物件それぞれの契約内容によって異なります。退去連絡が遅かった場合などは、引越してからも家賃を払わなければいけないこと(二重家賃)もありえます。理想は引越しが決まったら大家さんまたは管理会社に連絡を入れることです。
▼引越しの1週間前:荷造りなど引越し準備と手配
賃貸借契約が終われば、あとは不動産屋さんが関係するのは「鍵を受け取る」のみとなるのが一般的です。ここからは、自分で引越しの準備と手配を進めていきましょう。また、引越しに慣れていなかったり運ぶものが多かったりなど、人によっては荷造りや引越しの手配に大きな手間と時間がかかってしまいます。後回しにせず、できるだけ早めに取り掛かるのが無難です。
▼引越しの1週間前:引越し前の各種手続き
引越し前にすべきことは、荷造りや引越しの手配だけではありません。例えば、住民票の転出届を市区町村の役所に提出しなければならないこともありますし、現在使っている電気・ガス・水道などのライフラインも手続きが必要です。賃貸物件に入居前後にやるべきことは、以降でリストとしてまとめています。ぜひご活用ください。
■優良物件を逃さないためにできることとは?
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優良物件はスピード勝負です。自分が良いと思った物件は、他の人にも良く見えます。特に即入居OKの賃貸物件の場合、のんびりしていると次の瞬間には誰かが契約してしまいます。そうならないためにも以下の手法を活用するようにしましょう。
●先行申込
●先行契約
▼先行申込とは
空き予定の物件に対して申込を入れることを先行申込といいます。
・通常の流れ:内見→申込→審査→契約
・先行申込の流れ:申込→審査→内見→契約
内見後に物件が気に入らなかった場合は、キャンセルすることが可能です。キャンセル料などは掛かりません。優良物件は先行申込で決まるケースが比較的多いです。
【先行申込のメリット】
・内見出来るようになるまで物件を確保出来る
ズバリこの一言につきます。
【先行申込のデメリット】
・審査に必要な個人情報を内見前に提出する必要がある
しいてあげるならば、このようなデメリットがあります。最終的に賃貸物件の契約をするには個人情報を不動産屋さんに提出することになりますので、メリットの方が大きいでしょう。
▼先行契約とは
空き予定の物件を内見せずに契約することを先行契約といいます。
・通常の流れ:内見→申込→審査→契約
・先行契約の流れ:申込→審査→契約
先行契約はキャンセル料が発生するため、先行申込よりも慎重に物件を見極めておこなう必要があります。
空き予定の物件を内見せずに契約することを先行契約といいます。
・通常の流れ:内見→申込→審査→契約
・先行契約の流れ:申込→審査→契約
先行契約はキャンセル料が発生するため、先行申込よりも慎重に物件を見極めておこなう必要があります。
【先行契約のメリット】
・他の人に取られる心配がない
先行申込と同様に物件を確保できることが先行契約のメリットです。
【先行契約のデメリット】
・入居してみると、イメージと違うと感じる可能性がある
内見せずに入居することになるので、このリスクは少なからず発生します。リスクを少しでも軽減させるためにも、先行契約の前に以下のようなできることをしっかりとやっておきましょう。
・現地建物を外から見る
・物件周辺を散策してみる
・過去の室内写真をみる
▼先行申込があるのに先行契約をするのはどういうケース?
先行申込であればキャンセル料がとられないし、先行契約なんてする理由が見つからない…そう思われる人が多いと思います。しかし、管理会社によっては先行申込は受け付けておらず、先行契約のみ受け付けるといったケースがあるのが実情です。また、どちらも受け付けるが、先行契約を優先する管理会社もあります。そういったケースでは、先行契約をしてお目当の優良物件を確保する必要があるのです。
■まとめ
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賃貸物件を探す・契約するタイミングと流れ、優良物件を確保するためにできることなどを解説してきました。簡単に要点をまとめます。
・不動産屋さんの繁忙期(ハイシーズン)は1~3月で、物件数は多いが早くしないと条件に合う物件はなくなってしまう
・オフシーズンならじっくり物件を探せるが、そもそも条件に合う物件は少ない可能性がある
・実際に賃貸物件を探すなら、引越しの1.5~2ヶ月前がオススメ
・優良物件を逃さないためには先行申込と先行契約を活用する
疑問や不安を解決できたでしょうか?ぜひ本記事を参考に、自分の希望条件に合う優良物件で新生活をお楽しみください。