■在宅介護の必需品には保険が適用される!
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在宅介護をするには、食事や入浴などの介助をスムーズに行うための体制作りが必要になります。そのための必需品といえるのが、介護ベッドや車いすといった「福祉用具」です。福祉用具は、介護される本人が安心して日常生活を送るのを助けてくれるものです。また、介護者の負担を軽減するためにも役立ちます。福祉用具を用意するには費用がかかりますが、なかには介護保険が適用されるものもあります。在宅介護の準備を賢く進めるために、今回は介護保険制度を活用できる福祉用具についてご紹介しましょう。
■介護保険が利用できる福祉用具の種類
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介護保険の対象となる福祉用具には、「レンタル」と「購入」の2種類の利用方法があります。原則的にはレンタルで利用しますが、入浴補助用具など、利用者の肌に直接触れるものには購入費が補助されるようになっています。福祉用具のレンタル・購入にかかる費用の目安は次の通りです。
それでは、対象となる福祉用具にはどのような種類があるのか、レンタルと購入に分けて見ていきましょう。
▼保険利用でレンタルできる福祉用具13品目
●要支援1・2、要介護1~5
・手すり(工事を伴わない、置き型や突っ張り棒タイプのもの)
・スロープ(工事を伴わない、折りたたみやレールタイプのもの)
・歩行器
・歩行補助つえ
・自動排せつ処理装置(排便機能を有さないもの/排せつ物の経路部分を交換できるもの)
●要介護2~5
・車いす
・車いす付属品(クッション、ブレーキなど)
・特殊寝台(介護用ベッド)
・特殊寝台付属品(マットレス、手すりなど)
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・認知症老人徘徊感知機器
・移動用リフト
●要介護4・5
・自動排せつ処理装置(排便機能を有するもの)
上記のように、福祉用具をレンタルするには介護度の条件を満たしていることが基本です。ただし、末期がんや重度のぜん息などの疾患があり、福祉用具が必要と医師が判断した場合には、例外的にレンタルできる場合もあります。詳しくは、担当ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。
▼保険利用で購入できる特定福祉用具5品目
購入補助の対象となる福祉用具は、レンタルのように介護度による制限はありません。介護保険を利用して購入できる福祉用具は、以下の5品目です。
・腰掛便座(ポータブルトイレなど)
・自動排せつ処理装置の交換可能部
・入浴補助用具(シャワーチェア、浴槽用手すりなど)
・簡易浴槽
・移動用リフトのつり具の部分
これらの福祉用具は、インターネットでも簡単に購入することができます。ただし、ネットを含む通信販売で購入したものは、介護保険の費用支給を受けることができません。保険利用で福祉用具を購入する方法は、次の章をご覧ください。
■介護保険で福祉用具を利用するには?
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▼レンタルの場合
1、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談
使用したい福祉用具がレンタルできるかどうか、まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。福祉用具のレンタルは介護保険サービスの一部なので、ケアプランに盛り込む必要があります。
2、ケアプラン作成後、福祉用具のレンタル事業者を選定
ケアプランの作成ができたら、福祉用具をレンタルする事業者を決めましょう。介護保険によるレンタルサービスを提供できるのは、自治体の指定を受けた事業者のみです。自分で介護用品を扱うメーカーを見つけていても、介護保険を利用するためには必ずケアマネジャーを通して選定してくださいね。
3、福祉用具専門相談員が用具を選定・提案
次に、福祉用具のレンタル事業者からアドバイスを受けながら、レンタルする用具を決めていきます。指定事業者には、福祉用具選びのサポートをしてくれる福祉用具専門相談員が配置されています。相談員の提案を参考にするほか、必要であれば医師や看護師のアドバイスも併せて聞いてみましょう。
4、事業者が用具を納品
事業者から福祉用具が納品されたら、実際に使ってみて、利用者に適合しているかどうか、介護者が操作できるかを確かめましょう。
5、用具を決定、事業者と契約
利用する福祉用具が決まったら事業者と契約し、介護保険制度に基づいた料金1~3割の自己負担額を毎月支払いながら利用します。
▼購入の場合
1、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談
特定福祉用具を購入する場合も、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談し、事前にケアプランを作成してもらいます(他の介護サービスを利用していない場合は、ケアプランの作成を必ずしも必要としません)。
2、福祉用具販売事業者から購入
ケアプランや申請書に記載された福祉用具が必要な理由等に基づいて、自治体の指定を受けた事業者から用具を購入します。指定外の事業者から購入すると、費用支給の対象になりませんので注意しましょう。また、購入費の支給については、事業者へ全額(10割)を支払い、その後、保険給付分の払い戻しを受ける「償還払い」が原則となっています。しかし、利用者が1割~3割の自己負担分だけを支払い、その後、自治体が保険給付額を事業者に支払う「受領委任払い」を利用できる場合があります。自治体によって対応が異なるため、事前に確認をしましょう。
3、購入費の支給申請をする
特定福祉用具を購入した領収書と、その用具が掲載されているカタログ(パンフレット)を添付した申請書を、自治体の受付窓口に提出します。償還払いの場合、申請書の提出から2~3か月後に購入金額の7~9割分が指定口座に振り込まれます。詳しい申請方法は、お住まいの自治体のホームページや窓口でご確認ください。
■ケアマネジャーや地域包括支援センターと
よく相談して利用しよう
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福祉用具は、介護される本人の生活を支え、介護者の負担を軽減してくれるものです。とはいえ、過度に頼ったり、誤った使い方をすると、身体機能が衰えて今までできていたことができなくなってしまったり、事故やけがにつながったりする恐れもあります。適切な利用のためには、ケアマネジャーや地域包括支援センターをはじめ、福祉用具専門相談員などの専門家と十分に相談しながら設置を進めるようにしましょう。