■介護施設を決めるには見学が必要
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介護施設で親をケアしてほしい人にとって施設選びはとても重要です。安心して親を任せられる介護施設はどう見つければよいのでしょうか?親の心身の状態から施設の候補は絞り込めても、パンフレットやホームページだけでは分からないことがあります。希望条件と合っているかを判断するには、見学をして実際に確かめることをおすすめします。ここでは施設見学について、必要な準備と確認すべきポイントをご紹介します。
■介護施設見学までの3ステップ
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1、施設に連絡して予約する
まずは介護施設に連絡して、見学の予約をします。訪問する時間帯は、食事の様子を見学したいなら昼時、レクリエーションを見たいなら午後を選ぶとよいでしょう。食事の見学の場合、施設によっては試食を申し込むことができます。施設見学の予約の際には、見学する人の数も伝えておきましょう。1人で見学するよりも2~3人で行くのがおすすすめですよ。見学時の視点や感想が偏らず、漏れなく介護施設のチェックができます。また、見学時に小さな子どもを連れて行くのは避けた方がよいでしょう。子どもが走り回ったり、大声を出したりして入居者に迷惑をかけてしまう可能性があります。
2、持ち物を用意する
チェックリスト
介護施設のホームページやパンフレットなどから気になる点を洗い出して、事前にチェックリストを作成しておくと便利です。チェックリストは、スマホのメモ機能や紙などで用意しましょう。スマホでチェックリストを作成しておくと、同行者とデータの内容を共有できます。また紙でチェックリストを持参すると、その場で直接書き込むことができますよ。
メモ帳
チェックリスト以外で気になったことや、確認しておきたいことなどを書き留めます。
筆記用具
印刷したチェックリストやメモ帳に書き込む際に使用します。
カメラ
施設の建築や設備などを撮影するために使います。撮影の際には、事前に許可を得るようにしましょう。
メジャー
部屋や設備の寸法を測るために使います。実際に生活したときに、設備が使いやすいかを判断するために測ります。手すりの高さや廊下の幅などを数値で測っておくと、ほかの施設との比較にもなります。また、居室に家具を持ち込めるかの判断をするときにも便利ですよ。
3、施設を見学する
介護施設を見学する際は、チェックリストを確認しながら、気になる部分は質問をしましょう。見学するときはマナーに気をつけてくださいね。介護施設は既に入居している人が生活している場所です。許可なく撮影をしない、大声を出さない、入居者に勝手に話しかけないなど、プライベートな空間を乱さない心がけが大切です。1日に複数の介護施設を見学したい場合は、2か所までとするのがおすすめです。時間をかけて丁寧に確認することで、よりよい介護施設選びが可能になりますよ。また、1回の訪問で十分に見学しきれなかった施設がある場合は、何度か足を運び、納得できるまで見学をしましょう。
■介護施設見学のポイントは?
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親の介護を安心して任せられるか見極めるため、介護施設見学の際には確認しておきたいポイントがあります。ここでは、基本として押さえたいことと、時間帯によって確認できることをお伝えしますね。
【確認したいポイント】
▼スタッフの対応・雰囲気
介護施設スタッフの対応や雰囲気は、信頼できるかの判断につながります。受付での対応や表情、入居者への声のかけ方などを確認しましょう。
▼入居者の様子
入居者の様子を見ることで、施設サービスの内容やクオリティが見えてくることもあります。ぱっと見かけたときの印象や顔の表情、どのくらいの介護度の人が入居しているのか、などを確認しましょう。
▼施設・設備の状態
施設内の設備の状況は、親がその施設で快適に暮らしていけるかを見極める大切なポイントとなります。主に以下のような箇所をチェックしましょう。
・日当たり:窓はどの方角に面しているか、どのくらい光が入ってくるか、など
・バリアフリー度:手すりは歩行しやすい位置にあるか、廊下は十分な広さはあるか、玄関に段差はないか、など
・入浴設備:出入り口に段差はないか、身体状況に合わせた機械浴の設備は整っているか、など
・食堂や共有スペース:雰囲気や居心地はよいか、カラオケや囲碁・将棋など娯楽スペースはあるか、など
・掲示物の内容:季節の行事にはどんなものがあるか、日々のアクティビティーや食事の献立など
・庭やバルコニー:庭やバルコニーはあるか、ふだんから植物や外気に触れられるか、など
・施設内の環境:整理整頓や清掃は行き届いているか、匂いはどうか、など
▼介護の体制
介護施設の見学では、介護スタッフの人員体制が十分かどうかを確認する必要があります。昼間の人員と夜間の人員はどうなっているのか、夜間の緊急時対応は誰が行うのかなど、医療機関や医師、看護師との連携も含めて確認しましょう。また、どこまでのサービスが料金に含まれていて、何がオプションで利用できるのかも、金額とともに確認しておくことも大切です。
▼医療、リハビリの体制
医療、リハビリの体制で確認したい点は大きく以下の3つです。
・協力医療機関と診療科目
・訪問診療の頻度
・リハビリや介護予防の体制
協力医療機関とは、どういう協力関係を結んでいるかを確認しておきましょう。特定の病気がある場合はその病気に対応可能か、また夜間の緊急時にはすぐに対応してくれるか、など医療連携を確認する必要があります。訪問診療の頻度については、普段の健康管理のために、訪問診療の頻度や定期的な健康診断などもチェックしておきましょう。リハビリや介護予防の体制についても、十分整っているのか確認が必要です。寝たきりにならないように生活にメリハリをつけたり、介護予防のためのトレーニングを積極的に組み込んだりする介護施設もあります。レクリエーションも老いを進めない大切なイベントとなりますよ。
▼周辺環境
見学の際には施設そのものだけではなく、周辺環境もチェックしましょう。たとえば駅からのアクセスがよいと、家族や友人が来やすくなります。また、歩きづらい道がないか、近くに公園やコンビニがあるかなど、生活のしやすさも考えて確認しましょう。
【訪問時間帯による見学ポイント】
▼午前中
午前中に見学の予約をすると、調理、配膳、食事をする様子が見られます。「食事が口に合うか」は、生活する上で大事なポイントです。「メニューは充実しているか」「季節を感じるメニューがあるか」など食事で確認したいことはいくつもありますね。食事に関しては、食事の介助が必要になったときのことも視野に入れましょう。「介護スタッフは食事介助でどう対応しているか」、「やわらかく食べやすいメニューを出してくれるか」なども押さえておきたいポイントです。施設によっては、試食のプランを用意しているところがあります。見学を申し込む際に、試食プランの有無を確認し、試食できるようであれば申し込みをしてみましょう。
▼午後
午後からであれば、介護施設ではレクリエーションをしていることもあります。レクリエーションに参加する入居者の年齢層や男女比などはもちろん、楽しそうにしているかといった参加者の表情を見られるように、レクリエーションの見学もできるか事前に確認しておきましょう。
■見学の後は体験入居も
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実際に見学をして、入居したい施設が決まったら、さらに体験入居をしてみるとよいでしょう。これから長く生活していく施設ですから、より詳しく確認して判断するのがおすすめです。多くの施設では一定期間のお試し入居を実施しています。見学を申し込む際に、体験入居の費用と期間、必要な書類なども併せて確認しておくと便利ですよ。体験入居をすることで、食事や早朝・夜間の様子など、実際に生活したときのサービスを体験できます。
見学だけではなく、体験入居で最終的な判断をして申し込みに進むと、より安心ですね。大切な親の生活をより快適にするためにも、施設見学を積極的に行い、より納得のいく介護施設を選びましょう。現在、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、見学や体験入居を制限している場合があります。見学を希望する際は、オンライン見学も含めて事前に問い合わせをして注意事項を確認しましょう。