家賃なみで家を買えるって本当?



 

試算の条件は楽観的なものが多い。そのカラクリにだまされないよう、要注意!

住宅の広告チラシで目を引く「家賃なみの返済で買える!」という言葉に心を動かす人も少なくない。でも、その前に、有利に見せるための3大カラクリが使われていないか確認してみよう。

 

▼第1のカラクリ

「返済期間35年」で試算していること。住宅ローンは、長い期間で組むほど支払回数が増えるから、毎月の返済額は少額に見える。35年というのは住宅ローンの最長の返済期間だから、毎月返済額を“最少”に表示できるわけだ。そのまま鵜呑みにしないで、自分の年齢に当てはめて、本当に返せるかどうか考えてみよう。たとえば、45歳の人が35年返済にすると、80歳まで返済が続く。ほとんどアテにできないといわれている年金収入の中から返済可能か要確認。

 

▼第2のカラクリ

「ボーナス返済」を使ったプランにしていること。今の家賃生活と同じ条件にするなら、本来は、ボーナス返済はナシでないと計算が合わない。ボーナス払いは年2回だから、“ボーナス時25万円”の試算のプランであれば、年間50万円以上の貯蓄ができていない人の購入は危険。

 

▼第3のカラクリ

「固定期間選択型ローンの2年もの・3年もの、もしくは変動金利ローンによる試算」であること。これらのローンは、見た目は低金利。その代わりに、更新ごとに適用金利が変わって不安定な返済になるから、あまり現実的ではない。返済額を少なく見積もるための試算になっているので、要注意。実際には、全期間固定金利で組むのが理想的。