一戸建てはおよそ20年だが、マンションの建て替えは築25~50年以上と幅が
コンクリートでできたマンションのほうが、木でできた一戸建てより断然長持ちするイメージがあるが、実はそうとも限らない。税制上で計算する際の耐用年数は、木造モルタル造の住宅は20年。マンション(鉄筋鉄骨コンクリート造・鉄筋コンクリート造)は47年だ。でも、給排水設備は、15年、エレベーターは17年。これらの数字は、あくまでも目安ではあるが、丈夫なコンクリート軀体自体は頑丈でも、マンションを体に例えると、血管にあたる給排水管などのほころびが先に来ることは確かだ。
マンション全体を縦に走る給排水管の取り換えは、コンクリート部分も削って行うため高額な費用がかかるが、遅くとも30~35年目の大規模修繕までには実施しておくことが望ましい。その理由もあってか、実際に建て替えをしたマンションを調べてみると、築年数30~50年のものが多く、早いものでは築22年で建て替えというものも。ちなみに、平成14年に施行された「マンション建て替え円滑化法」の関連で、建て替え対象となる老朽マンションの定義は「築30年以上」であるという考えが定着しつつある。以上から考えると、マンションの建て替えは、築30年を超えるあたりから現実味を帯びて視野に入ってくる。そう考えると、一戸建てとマンションの寿命はさほど大差がないともいえる。
もちろん、メンテナンスの行き届いた一部のマンションでは50~70年程度は余裕で保つものもある。要は、物件のメンテナンス次第。だからマンション選びは、管理・修繕計画チェックが大事。