“安いのが良い”とはいえないのが修繕積立金。月々の修繕積立金の負担が軽くても、いざ大規模修繕する際に計画費用に不足する分は、まとまった額の追加拠出の形で請求される。結局は、先に払うか後から払うかの違いにすぎない。
もともと一時の住まい感覚で住む人は、月々の修繕積立金の安い物件を選ぶ傾向がある点にも留意。こうした人は、大規模修繕前にさっさと売りに出し、追加拠出を逃れる心づもりがある。同じことを考える人はいるわけで、大規模修繕前に売りが殺到し、結果的に物件価格の暴落を招く事態も生じ得る。
資産価値を維持したいなら、修繕積立金は高めのところが安心。高く設定している会社は、長期スパンの視野のもと、しっかりした管理が期待できるから信頼できる。そこに住む居住者も、高い修繕積立金の負担を受け入れるということ、すなわち、きちんとした大規模修繕をして長く住む心構えがあることの証明。自然に、メンテナンスの良い、質の下がらない物件になる。終の棲家として買うなら、修繕積立金は高い方をおすすめしたい。