■生活費の1年分あればまさかの事態でも大丈夫
ローンを少なくするために、少しでも多く頭金に充てたいところだが、貯蓄のすべてを取り崩してはいけない。残しておきたい貯蓄の目安は、生活費の1年分。月々20万円で生活している人なら、240万円程度。最低限でも半年分は手元に残しておくことが大切。
予想外のできごとはいつでも起こり得るが、特にローン返済中は、思いのほか負担になる。たとえば、病気やけがでの入院。医療保険に入っているから大丈夫と思う人もいるが、治療費負担を補えても、働けなくなって家計収入が減る分まではカバーできないことが多い。健康保険から傷病手当金が出るからなんとかなるのではとの声も聞く。だが、これは収入の3分の2水準を1年半にわたり給付してくれるものの、その額だけでは医療費や日々の生活費に費やすのが精いっぱいで、ローン返済のためには貯蓄の取り崩しは避けられない。
失業や転職も、長いローン返済期間中にはあり得る事態だ。急な失業の場合でも、1年分の貯蓄があれば何とかやっていける。転職による収入ダウン時も、貯蓄は確かな家計の支えになる。忘れがちなのは親の介護。往復の交通費を出すだけでも日々の家計から捻出するのは難しいから、貯蓄頼みとなる可能性大。