「家を買う」ときに後悔しないための心構え①



 

◎初心者が百戦錬磨のプロと契約する「二人三脚」という落とし穴

 

 

■物件選びと同じぐらい重要な「取引相手」の選び方
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マイホームを購入する際には、不動産会社の営業マンという百戦錬磨のプロを相手に、初心者がいきなり人生最大の取引をしていきます。初心者ですから、目の前にいる営業マンを頼りにして当然です。少なくとも、自分よりもはるかにいろいろな物件を知り、数々の購入事例を見てきている人たちなので、味方につけれたらこれほど心強いことはありません。

 

しかし、不動産会社の営業マンは私たちの味方ではありません。ですが、かといって敵でもありません。「取引相手」なのです。私たちがこれから購入するマイホームは、その後何十年に渡って自分と家族の人生を守るためのものです。プロから適切な助言を受けられるに越したことはありません。しかし、営業マンは家を売るまでが仕事なのです。

 

「お客様に寄り添い、二人三脚で物件選びをサポートします」これは、よく聞くキャッチコピーですが、真に受けてはいけません。彼らが私たちに寄り添うのは、商品を売るためです。私たちと利害が一致するのは、たまたま私たちが買いたい家と、彼らが売りたい家が一致したときだけです。それ以外の利害はことごとく相反します。こうして見れば当たり前のことですが、いざその場になるとこれらのことを忘れてしまう人がほとんどなのです。

 

 

■少しでも「おかしい」と思ったら立ち止まる
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私が住宅ローンの相談を受けていて感じるのは、タチの悪い営業マンにあたってしまった相談者ほど、その営業マンを擁護する傾向があることです。「人生で一度きりの大きな取引に絶対に失敗したくない」その思いが強いほど、目の前にいる営業マンを頼るようになり、二人三脚の紐を外せないという心境に陥ってしまうのです。相手が転んだら自分も転んでしまう運命共同体のような状態です。「営業マンの進め方がちょっと早すぎるな」「無理な方向に行っているな」と思っても、合わせざるを得ない心理状態になってしまうのです。少しでも気持ちの中に「マズいな」「おかしいな」と引っかかりを感じたら、立ち止まり、二人三脚の紐を外す勇気を持ってください。