◎理想の家にたどり着くための「地図」と「コンパス」
■広告のバイアスを排除し、現地調査で自分の目で見る
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ネットには無数の物件情報サイトが存在します。それらを見ると、地域や条件などに合致する売り出し中の物件のリストが、ズラッと並んでいます。そこから目星をつけた物件を実際に見に行くと思いますが、ここで注意してほしいことがあります。
不動産は実際に現地調査することで、ネット情報ではつかめないさまざまなことがわかってきます。実際に行って見て、よくなかったら「無駄足」と思うかもしれませんが、良い物件と悪い物件を見分ける目を養うことにもつながります。しかし、1日に現地調査できる物件の数には限りがあります。営業マンから話を聞いたり、周辺の環境を確認したり、最低でもひとつの物件を真剣に見るのに2~3時間は必要です。移動時間も含めると、丸1日かけても3つが限界でしょう。だからといって、現地に出向いて現物と周辺環境を調査するプロセスに手を抜いてはいけません。それが、後悔しない家を買うための唯一の方法だからです。
■方向性を定めて、自分の心と向き合う
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不動産に掘り出し物などありません、すべて販売価格に反映されています。地域や道路への接面、駅からの距離、広さ、築年数などは価格に反映される代表的なものです。それ以外にも要素があり、売り手の懐事情なども相まって価格は決められます。自分が譲れない条件があり、そのために価格が高いのであればお金を払う価値がありますが、そうでない理由で高い物件であれば、別を探したほうがいいのです。また、多くの物件を実際に自分の目で見ていくうちに、当初は「譲れない」と思っていた条件が、実は単なる思い込みだったとわかることはよくあることです。そして、その逆も然りです。
不動産の数は星の数ほどありますが、自分の価値観から譲れない条件に合う物件、しかも予算内の価格の家となると、それほど数はありません。つまり、しっかりと方向性を定めて現地調査をしていけば、実際にまわれる物件を現地調査することで、目的の家を見つけることは可能なのです。しかし、はじめはこの「指針=コンパス」がブレがちです。そこで、コンパスの精度を早く確実に上げる方法を教えましょう。
■価格に反映される条件と自分の価値観を一覧する「地図」
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物件の条件を一覧することのできる表を作り、横串で比較することで、コンパスの精度を着実に上げることができます。つまり、自分だけのデータベースを作るのですが、それには次の点が欠かせません。
【自分だけのデータベースを作る2つのポイント】
・多くの情報を整理し、物件ごとに一覧できるようにしておく
・自分の価値観を整理し、その優先順位を明確にしていく
図3-1の表は、限られた数の物件しか見ることができない条件で、自分にとっての理想の家にたどり着くための地図です。エクセルがあると便利で、はじめに枠だけ作っておいて、気になる物件を追加していきます。ネットの情報だけでも、埋められるところは埋めておき、実際に見に行って完成させていきます。特に物件の良かった点、悪かった点は、見に行ったその日のうちに完成させてください。営業マンの話を聞きながら、スマホにメモしておきましょう。記憶が鮮明なうちに記録しておくことが大事です。
コツは、売り手の立場に立ってみることです。不動産会社は商品を売るために良いところは強調し、悪いところは隠したいはずです。この表を使って、限られた数の物件しか見ることができない条件下で、良いところも悪いところも横並びにして、素の状態で比較していくのです。
パンフレットやチラシの情報で、8割方の情報を埋めることができるでしょう。しかし、どうしても埋められない情報があるなら、それは売り手が隠したい・見せたくない情報かもしれません。それを現地調査であぶりだしていくのです。
■はじめての道で迷わないための「コンパス」
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この表で、自分が大事にしていることをより客観視できます。重要な項目はより熱心に書くようになり、項目自体も追加されていくでしょう。自分にとってどんな物件の評価が高く、どんな物件の評価が低いかという傾向も見えてきます。この地図を作りながら、物件選びのコンパスの精度を上げていくのです。これは、夫婦で共有することで価値観を調整していくこともできます。「ここは譲れないけれど、そこはアナタの意見を聞いてもいいよ」という感じです。ブレないコンパスを手にするまでは、とにかく多くの物件を見て、この表(地図)を広げていくことが唯一の方法であり、王道です。ゴールは必ずこの先にあります。