■固定金利は「いつ借りるか?」が重要
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住宅ローンの金利は毎月のはじめに発表され、それが1か月に渡り適用されます。そのため、毎月金利が変わる固定金利で住宅ローンを組む場合は、何月に借りるかがとても重要になってきます。たった1日違うだけで、最長35年間払う利息が変わってしまうのです。ですから、固定金利で住宅ローンを借りようとしている人は最長金利の動向をよく見ておかねばなりません。
●「フラット35」の金利は前の月から予測できる
金融市場の長期金利の動向を予測するのは、専門家でも困難です。しかし、固定金利として代表的な「フラット35」の金利は、前の月から予測することができます。住宅金融支援機構は、銀行やモーゲージバンクからフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債」という金融商品として販売しています。つまり、フラット35のお金は、元をたどれば住宅金融支援機構の機構債の販売代金であり、機構債の表面利率とは機構債を買う投資家の投資利回りです。ですから、次の式でフラット35の金利を予測することができます。
【フラット35金利=機構債の表面利率+機構の必要経費や団信等の率】
機構債の表面利率は毎月の中旬から下旬ごろにホームページで公開されています。フラット35の金利はその翌月の1日に発表されるので、「予測する」というより「予定に基づいて推測する」に近いです。
●融資の実行日は翌月と今月の低いほうを選べるように「月末近く」にしておく
翌月の金利が下がることがわかっても、すでに融資を実行してしまったあとでは、まさに「後の祭り」です。ですから、融資の実行日は月末、ないし月末近くにしておくようにしましょう。そうすれば、次の2つのように低いほうの金利で住宅ローンを借りることができます。
・もしも翌月に金利が上がる予測なら、予定通り月末に融資を実行する
・もしも翌月に金利が下がる予測なら、融資の実行を翌月に延期する
もちろん、100%予想通りになるという保証はなく、その点は覚悟しておく必要があります。もし実行日を変更する場合はスケジュールを変更することになり、不動産会社、売主、銀行に調整をお願いしなければなりません。