なぜ、民間住宅ローンでは団信加入が必須条件なのか?



 

■なぜ民間住宅ローンでは団信加入が必須条件なのか?
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団信に加入するには、利用者が保険会社に対して健康状態を告知する義務はあり、健康上の問題があると団信に加入できない=住宅ローンを借りられないということになります。でも、私からすれば、次の点で本当はおかしなことだと思います。

 

●団信抜きで住宅ローンを貸さない銀行のホンネ

・銀行は住宅に対して第一順位の抵当権の設定を受けたうえで、その不動産価値で回収できる分しか融資しない。

・住宅は債務者にとって生活と人生の基盤なので、経済的に困窮しても最後までローンを払い切ろうと強くコミットする。

 

このように、住宅ローンは債務者に生命保険をかけなくても、十分に回収の可能性が高い優良債権です。ですから、住宅金融支援機構が債権者となるフラット35は、団信への加入は任意です。本当に団信なしで住宅ローンが貸せないのであれば、フラット35でも団信が強制となるはずです。では、なぜ日本の民間金融機関が取り扱う住宅ローンでは団信が強制なのでしょうか?保険料を払っても、健康状態の良好な債務者にそろえておくほうが銀行にとって得だと判断しているからです。まとめると、次のようになります。

 

●銀行にとっては団信を必須にするほうが得

・保険料を払う必要がある⇔ただし利息から回収する。

・団信に加入できない人には貸せない分、利息収入は減る⇔ただし貸し倒れるリスクも減る

 

そして、お金を貸すまでは貸すほうの立場が強いのです。「イヤならよそへ行ってくれ」といわれるだけです。