地震保険は保険商品ではなく社会インフラ



 

多くの人が地震保険を「保険商品」のように考えています。しかしそれは誤解です。地震保険はそもそも商品としては成り立たない保険なのです。震災と火災では被害のスケールに大きな違いがあります。

 

●震災と火災の被害の違い

▼震災

天変地異であり、エリア災害、被害の範囲はどこまでも広範囲になる。

▼火災

人災であり個別災害、延焼があったとしても範囲は限られる。

 

例えば、東日本大震災で支払われた地震保険の保険金は東北、関東、北信越などで75万件以上、1兆2000億円を超える金額となりました。大規模な地震が発生した場合に支払う保険金を、民間の保険会社は支払うことができません。ですから、保険会社が売る火災保険の保険約款では通常、地震・噴火・津波によって生じた火災による損害を免責事由としています。そうしておかないと、保険商品として成立しないのです。つまり、地震保険は損害保険会社が営利のために販売する保険商品ではなく、国のセーフティーネット=社会インフラなのです。