令和4年度税制改正以後は環境性能や省エネ性能が高い住宅を取得することで、住宅ローン控除の上限が高くなります。そのため、今後は住宅の営業も環境性能や省エネ性能によって住宅ローン控除の上限が高くなることを強調してくるでしょう。しかし、住宅ローン控除の上限は自分の年収(≒納税金額)による上限もあるので、自分にとって控除金額がいくら増えるのかを冷静に極める必要があります。
例えば、新築のZEH水準省エネ住宅を取得する場合、控除上限額は31.5万円ですが、これを満額うけられるのは年収700万円の人からです。さらに、扶養家族がいる場合は、所得が少なくなるので、子どもがいる人たちはさらに多くの年収がなければ控除を使い切ることができない可能性があります。
▼新築のZEH水準省エネ住宅を取得する額面年収ごとの住宅ローン控除上限額の目安(カッコ内は住宅ローン残高)
・年収200万円→6.9万円(983万円)
・年収300万円→13.6万円(1947万円)
・年収400万円→18.4万円(2627万円)
・年収500万円→23.7万円(3384万円)
・年収600万円→30.1万円(4301万円)
・年収700万円以上→31.5万円(4500万円)で頭打ち
むろん、省エネ効果によって光熱費が抑えられる効果もありますが、住宅ローン控除の恩恵という面では取得後13年にわたりそれだけの税額を払う見通しがあって、はじめて住宅ローン控除の恩恵があるということになります。
例えば新築の省エネ基準適合住宅を取得する場合、控除上限額は28万円ですが、これを満額受けられるのは年収600万円からです。なお、扶養家族がいる場合は所得税が少なくなり、納税金額も少なくなるため、600万円よりも高い年収が必要になる場合もあります。
▼新築の省エネ基準適合住宅を取得する額面年収ごとの住宅ローン控除上限額の目安(カッコ内は住宅ローン残高)
・年収200万円→6.9万円(983万円)
・年収300万円→13.6万円(1947万円)
・年収400万円→18.4万円(2627万円)
・年収500万円→23.7万円(3384万円)
・年収600万円以上→28.0万円(4000万円)で頭打ち
例えば一定の環境性能を有していない新築住宅(以後「その他の新築住宅」という)を取得する場合、控除上限額は21万円ですが、これを満額受けられるのは年収500万円からです。つまり、年収500万円未満の人は納税金額による住宅ローン控除の上限で頭打ちになるため、その他の新築住宅で必要十分であるということになります。
▼その他の新築住宅を取得する額面年収ごとの住宅ローン控除上限額の目安(カッコ内は住宅ローン残高)
・年収200万円→6.9万円(983万円)
・年収300万円→13.6万円(1947万円)
・年収400万円→18.4万円(2627万円)
・年収500万円以上→21.0万円(3000万円)で頭打ち