贈与税がかからない「親ローン」は借用書を作って税務署対策を!



 

親からの援助には、親からお金を借りる「親ローン」もあります。親から借りる場合、返済することを前提にしているため「贈与」にはあたりません。そのため、前述【親から資金援助を受けられる人は「贈与税」の減税措置も】の、贈与税の非課税枠に関係なく、贈与税はかかりません。しかし、親から借りる場合は税務署対策を立てておく必要があります。「借りたといいながら、実質的には贈与じゃありませんか?」と聞かれたときに、「たしかに借りたものです」という反証を用意しておかなければ、税務署の公権力によって贈与であると見なされてしまう可能性があるからです。事実、マイホームうぃ購入すると、何人かに1人は税務署から「購入した資産についてのお尋ね」という郵便物が届きます。その書類には購入した物件について、次のように詳細な回答を求められます。

 

▼税務署から届く「購入した資産についてのお尋ね」

・頭金をいくら入れたか?その頭金はどの金融機関の誰の口座から払ったか?

・借入の金額はいくらか?借入はどの金融機関で誰の名義で借りたか?

 

そして、税務署は回答と金融機関の記録と照合します。これを「反面調査」といいます。つまり、ウソの回答をしても金融機関の記録と食い違うので必ずバレるのです。そのため、借用書(利息をつけてちゃんと完済する内容のもの)を取り交わし、毎月返済していく必要があります。その返済は現金手渡しではなく、銀行振り込みで行い、ちゃんと金融機関の記録を残しておけば、「借用書通りに借りたお金であって、現に返済している」という証拠になります。

 

「親ローン」の場合はそもそも非課税ですが、借りたお金は親に戻るので、相続のときには相続税がフルにかかってきます。そして、「親ローン」は金利がいくら高くても、住宅ローン控除の対象外です。借入残高が多くても、税金が安くなることはありません。まずは、贈与税の非課税枠を使い切ってから、足らずの部分を「親ローン」とすることが賢い節税になるでしょう。