空き家の売却を行うとしても、前提として行っておくべきことがいくつかあります。特に両親が亡くなったことで空き家が生じた場合は、家財道具が遺されているので、その片付けが問題となります。
■実家の片付けプロの手を借りると早く済む!
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空き家を売ると決めたとしても、まずは実家の片付けというハードルがあります。実家の様子を思い出してみましょう。あの家財道具の一切合切を処分しなければならない…ということです。衣類や食器、家電製品といった生活必需品のみならず、神棚や仏壇が置いてあったり、単なる「モノ」ではなく、思い出がつまった品も数多くあるでしょう。想像すると「無理!」という言葉以外は思い浮かばないかもしれません。
この点、実家の片付けは、自分1人ではできない…と考えたほうがよいでしょう。兄弟姉妹や親戚を総動員したとしても、量的・時間的にも大変な作業です。そこで、専門家である遺品整理業者の力を借りるという選択肢を考えましょう。実家の残置物の中で、あなたが引き取ることができるものは、そう多くないと思います。それ以外はプロの力を借りて、思い切って処分するのがベターです。なお、実家の片付けをする際には、不動産の権利証といった重要書類には気をつけてください。遺品整理業者を利用する場合でも、まずは貴重品を持ち出してから…ということになりますね。ゴミを捨てる場合、自分の住んでいる地域とゴミ捨てのルールが異なる可能性があります。その辺は、現地の役所に問い合わせましょう。
■「遺品整理業者」と「不用品回収業者」は別と考える
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近年、空き家問題がメディアで取り上げられるようになり、実家を処分しようという人が増えてきたためか、遺品整理を請け負う会社も増えています。なお、ここは「不用品回収業者」ではなく、「遺品整理」を専門に請け負う会社を前提にした話です。一般的な「不用品回収業者」は、遺品整理に特化していないことが多いため、遺品整理にまつわる相談は乗ってくれない可能性がありますし、遺品に対する特別な取り扱いは期待しないほうがよいでしょう。遺品整理の専門業者には、遺品整理に伴う各種手続きや、その他、遺品整理にまつわる心配事についても相談できます。
ただし、遺品整理の専門家とは言っても、悪質業者もまぎれている可能性があるため、遺品整理業者についても見分けをしないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。実際のところ、全国の消費生活センター等には「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」といった料金や作業内容に関する相談が寄せられており、年間で100件を超える遺品整理サービスでの契約トラブル事例が報告された年もあります。そこで、遺品整理業者と契約をする際には、次の点に注意してください。
▼遺品整理業者と契約をする時の注意点
①複数社から見積もりを取るなど、事業者の選定は慎重に行う。
②作業内容や費用を明確に出してもらい、見積書の内容を十分に確認する。
③料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に確認する。
④残す遺品と処分する遺品を明確に分けておく。
⑤事業者とトラブルになった場合には、消費生活センターに相談する。(消費者庁 消費者ホットライン「TEL:188」)
■神棚や仏壇の処分について
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神棚や仏壇のことを「祭祀財産」といいます。これらは遺産の中でも特殊な財産なので、この点についても簡単に触れておきます。祭祀財産は、神社やお寺で閉眼供養(魂抜き)をした後で、仏壇仏具店に引き取ってもらうのが一般的です。この点、仏壇仏具店であれば、祭祀財産の取扱いに慣れているので、不安なことが相談できます。処分の段取りも円滑であり、料金もわかりやすいことが多いでしょう。ただし、数万円単位の出費が想定されます。
そこで、割り切れるのであれば…ですが、閉眼供養(魂抜き)をした後の神棚や仏壇は「ただの箱」と言えますので、自治体の粗大ゴミとして破棄するのも1つの方法です。この方法のメリットは、費用が少なく済む点です。自治体によって異なりますが、数千円程度の出費で済むケースがありますし、自身で処理施設に持ち込むことで、周りの目を気にせず安価に処分できます。遺品整理業者に依頼する場合、閉眼供養から処分まで一括で依頼できることが多いです。金銭的な負担はありますが、物理的・精神的ストレスは大幅に軽減されます。