【第3章 既に空き家がある場合(売るという選択)】⑤「そのまま売る」場合は不動産会社に依頼



 

家財等の片付け、相続登記も無事に終え、いよいよ空き家を売却することにしました。次に「どうやって売るのか」という問題があります。ここは不動産会社に売却を依頼することが無難です。

 

 

■不動産会社にお願いするのが一般的
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いらなくなった衣類やアクセサリーであれば、インターネットを利用して気軽に売り買いすることができますが、不動産となるとそうはいきません。そこで、最も一般的な不動産の売却方法は、不動産会社に販売を依頼する方法です。法律的には「不動産会社と媒介契約を締結する方法」ということになりますが、簡単にいうと不動産屋さんに売買を仲介してもらうやり方です。仲介手数料は、契約成立後の支払いとなるので、初期コストをかけずに販売活動を開始することができます。

 

◎媒介契約とは?

簡単に言えば、不動産会社と結ぶ「買主を見つけてもらう」契約です。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれ複数の不動産会社と媒介契約をしてよいのか、自分でも買主を見つけてよいのか、といった制約の有無等が異なります。媒介契約を結ぶ場合、ひとまずは「一般媒介契約」でよいでしょう。

 

この場合、不動産会社に「相続した空き家を売りたいと考えているんですけども…」と連絡をするところからスタートとなります。問題はどの不動産会社に相談すべきかです。相続問題や空き家問題に強い不動産会社を選べば、それにこしたことはありません。とはいえ、なかなかその判断も難しいところです。そこで、基本的には、売却したい空き家があるエリアに営業所がある不動産会社(地場の不動産屋)を選ぶことをお勧めします。地場の不動産屋は、売却したい空き家がある地域の不動産事情や生活の実情、また、そのエリアの雰囲気なども的確に把握しているはずなので、依頼先としては最適です。また、インターネットの情報を鵜呑みにするのは危険ですが、地場の不動産屋が複数ある場合、ウェブサイトにおける情報を比較したうえで、実際に電話をかけてみたり、相談してみることで、スタッフの対応や様子も確認してみるとよいでしょう。依頼する場合は、継続的なやり取りが必要となります。気持ちよく取引を続けていくうえで、「相性」も重要ですよね。

 

 

■地場の不動産会社が見つからない場合
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信頼できる地場の不動産会社が見つからない場合、全国規模で営業を展開している大手の不動産会社に依頼することになると思います。地場の不動産会社がお勧めと言いましたが、それも絶対ではありません。むしろ、大手の不動産会社は買主の情報を多く持っているはずですし、「○○が売り出されています!」という広告力も強いので、むしろスムーズにに買主が見つかるかもしれません。この辺は一長一短であり、どちらの不動産会社が確実ということではないので、空き家がある地域に地場の不動産会社がある場合であっても、大手の不動産会社を含め、複数の不動産会社に相談してみて、より信頼できると感じた会社に依頼すればよいと思います。一般論として、妙に契約を急ごうとする会社には気を付けたほうがいいでしょう。こちらの希望をちゃんと聞いてくれる相手が安心です。

 

 

■不動産会社への仲介手数料は?
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不動産会社に仲介してもらって買主が見つかった場合、不動産会社には仲介手数料という報酬を支払う必要があります。どのくらいの報酬が必要となるかについては、仲介手数料の上限が以下のように法律で決まっています。よって、これ以上の額を請求されることはありません。

 

▼仲介手数料の上限

 

例えば、空き家が1500万円で売れた場合、売却価格が③の400万円超えとなるので、③の「売却価格×3%+6万円(税別)」が適用されます。よって、1500万円×3%+6万円=51万円(税別)を不動産会社に支払うこととなります。法律で報酬額の上限が決まっているのは安心ですよね。一般的には、上限金額どおりの金額が請求されています(値引きなし)。

 

 

■「超え」と「以下」「以上」
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上記の表で「200万円以下」や「200万円超え」とありますが、法律上、「以下」や「以上」という場合、その数値を含むことになります。つまり、売却価格が200万円の場合、①の「200万円以下」に含まれます。他方、「超え」という場合はその数値を含みませんので、仮に売却価格が200万1円であったとしても、②の「200万円超え400万円以下」が適用されます。