社会問題化している空き家問題に対して、全国各地の各自治体も対策を講じています。その1つが「空き家バンク」です。売買契約は自ら行わなければなりませんが、成約数も伸びているマッチングシステムです。
■ひとまず登録もアリ⁉「空き家バンク」とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
空き家バンクとは、自治体から委託を受けた団体が、地元住民から空き家や空き地の登録を募集し、空き家の利用を希望する人に物件情報を提供するマッチングシステムです。自治体によって差はありますが、原則として、売却だけでなく、貸し出ししたい場合であっても利用できます。また、国土交通省が提供するサービスとして「全国版空き家・空き地バンク」というサービスもあります。こちらは各自治体が把握・提供している空き家と空き地の情報について、自治体を横断して簡単に物件情報を検索できるようにした制度です。国土交通省から選定された株式会社LIFULLおよびアットホーム株式会社が運営しています。空き家バンクは行政サービスなので、不動産会社が運営する物件サイトとは異なり、登録費用はもちろん、売買契約が成立しても仲介手数料を支払う必要もありません。また、市区町村が運営している公的制度ですから、安心感もあります。
さらに、空き家バンクへの登録を条件に、空き家のリフォーム費用や管理費用等の補助金・助成金制度を用意している自治体もあり、購入希望者の利用を促す効果となっています。ただし、不動産会社のような積極的な広告まではしてくれませんし、各自治体は契約や仲介に関与するわけではないため、自分が購入希望者と直接に売却価格等の売買契約に関する交渉をすることになります。つまり、基本的に各自治体は、あくまでマッチングの場を提供しているだけとなります。買いたいという人が現れても、不動産会社(宅建業者)の仲介なしに空き家の売買をすることになり、別途依頼しない限り、間に専門家が入りません。契約上のトラブルのリスクは検討すべきでしょう。とはいえ、自治体へのアンケート調査等によると、令和6年2月末時点において、約16500件の物件が成約済みとされています。
ここでは全国版の「空き家・空き地バンク」のホームページアドレス、また、国土交通省で公表されている情報サイトのリンク集などのアドレスを紹介しておきます。興味をもった人は参考にしてください。具体的な登録方法等は各サイトで紹介されています。
【全国版空き家・空き地バンク】
なお、物件の登録にあたっては、宅地建物取引業者との媒介(仲介)契約を必須としている自治体もあります。利用にあたってのルールは各自治体で異なるので、物件の登録にあたっては自治体に確認しましょう。
>>国土交通省 全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集
■ネットオークションで空き家を売れる?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ネットオークションの利用規約では、売買できない物に「不動産」が明記されていることが多いです。しかし、あくまでこれは規約上の問題であり、インターネット上での不動産売買は違法ではありませんので、実際に不動産も扱うオークションサイトは存在します。しかし、日本では不動産オークションが普及していないため、現実的な選択肢とは言えません。